日本計画行政学会第34回全国大会のご報告
2011年度は、「ソーシャルイノベーションと計画行政のフロンティア」をテーマに全国大会を開催いたしました。 今大会では、ミニシンポジウム形式のワークショップが数多く企画され、なかでも東日本大震災と復興をテーマとしたワークショップが多くありました。
大会要旨
少子高齢化とグローバル競争に揺れる日本において、国家デザインの改革がまさに必要とされている。その一連の制度設計は、ソーシャルイノベーションを抜きにしては考えられない。例えば持続可能な経済社会システムの構築、公務員制度改革や抜本的な行財政改革、地域主権型道州制、熟議民主主義や新しい公共に根差した市民参画から始まり、計画行政上のニーズと技術的シーズの蓄積と相まって、ソーシャルイノベーションを具体的にどう進めるかに焦点を合わせて明らかにしてゆく必要がある。
具体的な事例としては、小泉政権に始まる構造改革特区による規制緩和や経済財政諮問会議などの政策決定方式があった。また民主党への政権交代後に事業仕分けなども人々の耳目をひいた。それらを評価し改善を加えた場合、制度設計を支える新たなソーシャルイノベーションとして位置付けることが可能か否かを議論したい。また技術と社会の交互作用を端的に示す、電子投票や電子市民会議なども議論の俎上に載せる。その延長上で、電子商取引、産業クラスター、コミュニティビジネス、SNS、情報セキュリティなどICT活用による社会経済の変化や国際標準化の戦略なども含めて、技術系、情報系、政策系の学会等と広く連携したセッションなどでより専門的に議論を深めたい。種々の分野における技術革新やその基盤を作る高等教育のあり方、人材育成に関する支援体制についても広く「計画行政上の課題」として議論を深めたい。
なお、東京で開催するため、人口の一極集中の功罪、平成25年開催の東京都にも関連した行政制度・教育・福祉・観光・地域活性化など東京関連のトピックスも東京都との連携で議論する。
開催日時・場所
日時 2011年9月10日(土)・11日(日)
会場 中央大学後楽園キャンパス(東京都文京区春日1-13-27)
プログラム
⇒ 詳細版プログラムのダウンロード [PDF形式、890KB]
【第1日目】 9月10日(土) | |
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09:30-09:50 | 開会式、学会賞授与式 |
10:00-12:00 | 研究報告I、ワークショップI |
12:40-13:45 | 基調講演 『大震災とソーシャルイノベーション』 講 師: 鈴木 寛(前文部科学副大臣) |
14:00-16:30 | シンポジウムI 『災後と首都機能-東日本大震災からの復興過程と首都機能のあり方』 パネリスト: 中林一樹(明治大学大学院特任教授) 北本政行(国土交通省大臣官房付(前同首都機能移転企画課長)) 畑正夫(兵庫県企画県民部ビジョン局長) コーディネーター: 大西隆(東京大学大学院教授) |
16:45-17:15 | 総会 |
17:30-19:30 | 懇親会(会場「コモンズ」) |
【第2日目】 9月11日(日) | |
09:00-10:30 | 研究報告II、ワークショップII |
10:45-12:15 | 研究報告III、ワークショップIII |
13:15-15:15 | 研究報告IV、ワークショップIV |
15:30-17:30 | シンポジウムII 『ソーシャルイノベーションの課題』 パネリスト: 青島矢一(一橋大学イノベーション研究センター准教授) 角南篤(政策研究大学院大学准教授) 有本建男(科学技術振興機構社会技術研究開発センター長) コーディネーター: 城山英明(東京大学法学部教授) |
17:30-17:45 | 全国大会優秀発表者表彰式 |
17:45 | 閉会式 |
参加申し込み
参加費 | 一般会員 | 5,000円(研究報告要旨集代1冊含む) |
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学生会員 | 4,000円(研究報告要旨集代1冊含む) | |
非会員 | 6,000円(研究報告要旨集代1冊含む。参加のみの場合は4,000円) | |
懇親会費 | 5,000円 |
優秀発表賞
今大会から新設された全国大会優秀発表賞を、次の2名の方が受賞されました。
松本昭(東京大学)
「開発手続と一体化した「紛争調整手続」の有効性等に関する研究」
張世峰(電気通信大学)
「食品製造業におけるゼロエミッション活動の評価方法に関する研究」
お問い合わせ先
中央大学総合政策学部 細野研究室 (全国大会組織委員会)
E-mail: hosono[at]fps.chuo-u.ac.jp (※[at]を@に変えて送信してください)
住所: 〒192-0393 東京都八王子市東中野742-1
電話: 042-674-4140 (ご連絡はなるべくE-mail でお願いいたします)